〜設計事務所に設計を依頼することのメリット〜

●建築の質を高める

 建築設計事務所は「建築設計」に特化したプロです。 建築主の要望、予算、法規など建築設計に関わること全てにおいて、建築主の良きアドバイザーとなります。
 よく「建築設計」イコール「平面プランを作る」ことと考えている方がいますが、プランを考えるというのは建築設計において全作業量の1/10か、それ以下の割合でしかありません。 平面プランは無論とても重要ですが、あくまで基本・出発点であり、構造計画、外観デザイン、室内空間のデザイン、使用材料やディテール、設備、予算配分、法規チェックや申請等、建築設計には沢山の検討過程があります。
 100人の設計者がいれば1つの平面プランから100の全く違った建物ができると言われるほどです。
  大金をかけて何十年も使うものですから、手間をかけ建築主の希望するもの以上のデザイン・使い勝手・性能・品質・コストパフォーマンスを目指して設計するべきで、それは依頼主に対する責任であると共に、社会に対する責任でもあり、設計事務所の存在意義はそこにあります。
 また、当事務所では、違反建築の設計・監理はいたしません。そのような要望は固くお断りいたします。


●施工業者を選ぶ

 設計事務所の実施設計が終わった段階で、工事を行う施工業者を決めるために「見積依頼」をしますが、複数の施工業者に同時に見積もってもらうことにより、より経済的・良心的な業者を建築主が選ぶことができます。
(何社に見積り依頼するかは、建物の規模その他により常識的な範囲で判断します)

 複数の見積書を設計事務所で比較検討することにより、各施工業者の金額面の比較はもちろん、工事費の配分の仕方、見積項目の出し方、経費のかけ方、見積落としの有無、ほか等を比較検討することができます。 これにより工事金額が妥当なものかどうか知ることが出来ます。

 建築主が知り合いの施工者へ、設計及び施工を一括で発注した場合は施工者の「言い値」で契約せざるを得ません。
 無駄な出費を避けるためにも、プロによる見積書のチェックは必要です。 見積書だけでその施工業者の性格を100%知ることは出来ませんが、客観的な判断の大きな要素となります。

 金額だけで決めるのは危険なことですが、現在2,000万円程度の工事の場合、業者間で100〜200万円程度の見積金額の開きが出ることは珍しくありません。見積り項目の上げ方も業者によりずいぶんと違う場合があります。

 施工業者を選べるというのは、設計及び施工を一括で請負う施工業者や住宅メーカーに発注する場合にはない大きなメリットです。
 設計及び施工を同時に建築主が発注するのは、契約時である基本設計の段階で施工者も決めてしまうことになるからです。


●違反建築や手抜き工事を防止

 建設工事中に施工者がきちんと図面通りの仕事をしているか、手抜き工事はないか等、設計者は工事中の工事監理も行います。

 この工事監理は設計事務所が行うことにより、施工業者からみて第三者の監理となるため、違反建築や手抜き工事を防止するために有効です。設計施工を一括で請負う工事の場合は、実質的に工事監理者はいないと思ってまず間違いないでしょう。
 建築主にとって「設計」と「施工」は分けることが賢明な選択です。

 意図的に「欠陥工事」を行う一部の悪質業者のことが時々マスコミの話題になることがありますが、この他、意図しないまま結果的に「欠陥工事」になっている(施工業者に専門知識が足りない)場合もあります。
 建築設計のプロを監理者として雇うことは、建築主にとって利益となります。

 当事務所では設計料に応じ、「設計」と「工事監理」を分離して業務を請け負いますが、上記の理由により基本的には「工事監理」までの業務を委託させていただく事をお勧めします。

 このように、設計事務所の業務上の立場としては「建築主の代理」となりますので、建物の完成までの役所や施工会社等との折衝も建築主の立場に立って行います。 これは設計施工を一括発注する場合と比べて一番大きなメリットです。
 しかも建物の質は間違いなく向上すると考えます.。


●良い建築設計事務所とは?

 一言に建築設計事務所と言っても国内だけでもその数は膨大で、当然その仕事の質にはピンからキリまであります。仕事の質は事務所の規模と全く関係ありませんし、また有名無名もあまり関係ないように思います。 

 良い設計者は、独自のビジョンをもって建築主にアドバイスが出来るはずです。良い設計者を捜すために、雑誌やホームページ等で作品(建物)を写真で見たりされている方は多いと思いますが、実際に一度その設計者に会ってみるもがいいのではないでしょうか?
 当事務所は、お会いして話をする程度では、お金はかかりません。また土地取得時に、建築関係法規等に関する相談も受け付けます。


●建築主と建築設計事務所との相性

 最後になりますが、建築主さんも設計事務所もお互い生身の人間ですので、お互いに人間的な相性というものがあると思います。
 ある程度相性の良い者同士で一緒に仕事を進めていく方が良いのは当たり前のことだと思います。

 設計契約前に、設計事務所の人柄を探るというのも重要だと思います。設計事務所との契約前に何度かコミュニケーションを取る事になると思いますが、その間に相手の人柄を良く観察する等、設計事務所と契約を交わす前にはその辺のチェックも重要ではないでしょうか?

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