〜敷地の新規購入の際に気をつけたいこと〜

●関係法規上の問題をクリアにする(都市計画法・建築基準法・消防法 他) 
○市街化地域と市街化調整区域
基本的に市街化区域に指定されていないと建物が建てられない。
○用途地域
都市計画法・建築基準法上の指定された用途地域により、建物の用途、階数、高さが制限される。
○建ペイ率・容積率
敷地面積に対する建物の建築面積・延床面積が制限される。
○防火指定
防火地域・準防火地域・無指定の3つに別れており、建物の構造、外部の仕上、開口部の仕様等に規制を受ける。 例えば、外壁に木材を使いたい場合、基本的に「無指定」でないと実現しない。 防火地域では基本的に木造の建物が建てられない、等が規制の例としてある。
○斜線規制
主なものに北側斜線(第1種〜第3種)、道路斜線がある。 商業地域等の場合、北側斜線がなくなり隣地斜線が規制される。
○日影規制
住居系の地域に設定されている。 建物の高さや規模により、規制を受ける。
○道路後退の有無(建築基準法42条2項指定道路)
敷地に接する道路(前面道路)の幅が4m以下の場合、基本的に現況の道路中心線から2mまで敷地を後退させる必要があります。
反対側の道路境界が既に後退済みの場合や、崖・川・高架等の場合はそこから4mを一方後退する。
○道路台帳の確認
行政庁(都道府県庁・市役所・区役所・村役場等)の道路台帳で、認定幅員を確認し、現況幅員と一致しているかどうかを、確認の必要な場合があります。
かなり特殊な例として、現況は4mあるのに道路台帳で5m、6m等の認定幅員が確認され、現況幅員をそれに合わせるため更に拡幅の必要が出てくるということもあります。
○角地適用の有無
2つ以上の道路が交差する角地に敷地がある場合、その交わる角度によって、通常斜辺3mの隅切りを行う必要があります。
この場合、建ペイ率は10%加算する事が出来ます。
○都市計画道路の有無
都市計画道路が敷地を横切るように計画決定されている場合、その部分の建築の構造や規模に制限を受けます。
また将来、道路拡幅の工事が開始される時には計画道路部分の敷地はなんらかの形で道路に提供し、既存の構造物は撤去する必要がります。
○送電線の有無
送電線が敷地付近にある場合、電力会社と協議が必要となる場合があり、場合によって建築制限されることがあります。
登記簿上に「地役権」などが設定されている筆がある場合は内容をよく確認する必要があります。
○その他
風致の指定、外壁後退の指定、壁面線の指定、その地域の建築協定等が指定されている地域がある。

 当事務所では御希望があれば、このような土地取得の際の建築関係法規の調査等の御相談もお受けします。


●登記上の問題がないか登記所で調査(法務局出張所等)
○公図の確認
敷地の位置や形状、道路との関係は公図によって調べます。
公図の土地の形状は正確でないことが多いので、地積測量図で確認します。
○地積(土地面積)
敷地の面積があっているかどうか、地積測量図で確認します。
地積測量図がない場合、登記簿上の地積は実際の面積と異なる場合もあります。
区画整理が終わっている土地は、地積測量図はなくて「換地図」が存在する場合があります。
○地目
基本的に建物を建てようと購入する土地の地目は「宅地」となっていないと、所有権の移転登記が難しいことがあります。
現況が宅地のように見えても、登記上の地目が「山林・田・畑」だったりすることもあるので、その場合は事前に地目を変更してもらい購入します。
○その他
その土地に抵当権等がついていないか確認します。
もし付いているような場合、抵当権を抹消してもらってからその土地を購入するのが基本です。

●その他

住宅金融公庫を使って住宅を建てる場合には、土地取得にかかった費用の一部が融資の対象となる事があります。
ただし、住宅金融公庫の融資内容は頻繁に改定されるため、公庫のホームページ等を参考に、十分調査する必要があります。

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